令和6年度 第3回みみらんど学習会

 12月13日(金)、本校地域支援センター「みみらんど・郡山」主催による第3回みみらんど学習会が開催されました。
 今回は、「当事者からのメッセージ~子供の権利 セルフアドボカシー~」と題して、本校の卒業生で教諭でもある桑名真之介先生が講師を務めました。自身の実体験をもとにした以下のような話でした。
・聾学校に在籍していた時には、学校では手話、家庭では音声言語を使い分けていたが、一歩外に出ると周りの人との関わりがうまくいかなかったり、話していることがわからなかったりした。このような経験から聴者と関わることに消極的になり、自分は聞こえる人とは違う存在で、普通ではないと考えるようになった。また、聞こえない事が悪いと思うようになり、自分が努力しなければいけないのかと思うようになった。実際には、自分に必要な支援をどのように求めればいいのかわからず、放棄してしてしまっていた。
・セルフアドボカシーとは、「障害や困難のある当事者が、自分の利益や欲求、意思、権利を自ら主張すること」であり、そのためには、自分がどのように困り、どうすれば解決・改善するのかを自ら提示する能力や技術が必要になる。大学での学びを通して、自身の聞こえ等について説明する機会を経験したことで、セルフアドボカシーを理解し、自分に自信をもち、必要な支援を自分の言葉で伝えられるようになった。また、合理的配慮の提供が義務化されたが、本人の意思表明があって合理的配慮の提供がなされるため、その調整のためにもセルフアドボカシーが重要になってくる。

 聴覚障害教育に携わる我々の日々の実践を、もう一度、当事者の視点を尊重しながら確認する必要性を改めて感じました。
 本学習会にご参加いただいた皆様、師走の忙しい時期にも関わらず本当にありがとうございました。