第3回 まなびあいサロン「 卒業生を囲んで 」
10月23日(水)、「卒業生を囲んで」というテーマのもと第3回まなびあいサロンを行いました。本校卒業生である、本校の鴫原教諭には『幼少期の経験から今の自分』として、自身のこれまでの歩みを振り返って話してもらいながら、参加者からの質問にも答えてもらいました。
〇コミュニケーション手段・情報保障についての思い
・1対1の会話、集団での会話、仕事場面、生活場面など、相手や状況に
応じて手話や聴覚口話、筆談等を使い分けている。通院時は手話通訳を
依頼しているが、緊急時は文字変換アプリ等を使うこともある。話の内
容が確実に伝わることや、その場にいるみんなが分かることを大切にし
たいと考えている。
〇母との思い出から
・公園を散歩していた時に「におい」で気づいた『ぎんなん』について、
何の木の実かを話したり後日の夕食で食べたり等、ことばと実物をつな
げる工夫を母はしていた。「みる」「ふれる」「味わう」「かぐ」…と
いう様々な感覚を使ってことばを覚えられるようにすることや、その時
の「気持ち」を言語化することを常に意識していた。
・外出先で新しい物(例えば『アドバルーン』)を見つけたら、一緒に見
た物の名前を「はなす」だけでなく、家で『アドバルーン』と紙に書い
てことばを覚えるようにしていた。「絵日記」で普段の生活の出来事を
「絵」と「文(ことば)」で残すことが、ことばの定着や活用に大きく
つながったと思う。
〇今の子供たち見て思うこと
・障がいを理解しようとする人や関わろうとする人が増えてきたとう。 昔 より過ごしやすくなった思う。だからこそ、積極的にいろいろな人達と
関わって学校や家庭以外の世界を学んでほしい。子どもが困ったり悩ん
だりした時、家族は「どんなことがあっても味方」という、子どもにと
って安心の場を作ってほしいと思う。
〇周囲に理解していただくために取り組んでいること
・できるだけ自分から話しかけて、「自分」や「聴覚障がい」を知っても
らうことや、「分からない」をそのままにせず、具体的にすぐに伝える
ようにしている。
・お互いに助け合う「歩み寄り」を大事にしたい。手話通訳の練習に関わ
る等、自分でできることをしたいと思っている。
〇聴覚障がいについて思うこと
・当事者は「きこえない」ことがつらいのではない。「きこえない」こと
からくる困りごとを理解していただければと思う。「きこえ方」は人に
よって様々なので、先入観で考えずに当事者の気持ちを聞きながら関わ
ってほしいと思っている。
今年度の『まなびあいサロン』は今回で終了になります。
ご参加いただき、ありがとうございました。